厳しくも温かい言葉

≪2010年3月28日・小学校4年生≫

 

有香が1~2歳の頃だったと思います。

今でも時々思い出す、心に沁みる出来事がありました。

 

ある寺院でのことです。

一般の駐車場はいっぱいでしたが、身障者の手帳を示せば駐車可能な場所がある…という状況でした。

 

私は受付の若い女性にこう言いました。

「普通に育てたいと思って手帳は持っていないのですが、車を停められますか?」

 

その人は「しばらくお待ち下さい」と仰ってから奥に行き、戻って来られてからこう仰いました。

「こちらは構いませんが、あなたの心に矛盾は無いのですか?」

 

私はトンカチで頭をたたかれたような…激しい衝撃を受けました。

 

ご指摘を頂き自分の言動を省みると

・娘を障害者と思いたくない

・周囲の人からも障害者と見られたくない

・障害があるゆえのメリットは享受したい

という矛盾点が自分の心の奥底にあることに気付きました。

 

「あなたの心に矛盾は無いのですか?」

 

この言葉を頂いたことにより、

『障害を認め、福祉の恩恵を有難く頂きながら子育てをする』

というスタイルで生きていく覚悟が定まりました。

 

8~9年経ちましたが、私にとって今でも忘れられない、有り難い言葉です。