聞き取る努力

 【医学博士のお話】

言葉が通じると意欲をわかせる。

しゃべったことには敏感に反応して答えてあげる。

相手をする人が分かってくれるならよくしゃべる。

 

 

有香が3歳の頃だったと思います。

ある大学の研究室で、とてもしっかりしたダウン症の女の子とお母さんに出会いました。

 

当時、その女の子は小学校1年生だったと思います。

炭坑節を歌いながら踊る姿に、本当にびっくりしました。

その後、その女の子が出演された『ダウン症児のめざめVol.2 ことばと情緒の発達援助』を見せて頂き、さらに驚きました。

 

ある日のこと、私がその先輩ママに「最近、よくしゃべるようになったんですけど、聞き取れる部分は少しだけで、ほとんど何を言っているのか分からないんです」と言うと、その先輩ママは「聞き取るのが親の努力!」と仰いました。

 

『何を言っているか分からない…で終わらせてはいけない!』と気づき、撮ってあった有香の映像を、何回も何回も再生して見ました。

 

 

 

 

聴こえの問題などもありますから、『聞き取るのが親の努力!』とは言い切れませんが、私の場合は10回、20回と再生するうちに、まったく意味が分からなかった部分が、ところどころ聞き取れるようになりました。