指さしが大切な理由

言語指導の先生のお話

「指差しをしなければ言葉は話しません」

 

子供が指差しの意味を理解する方法

①散歩に行って分かれ道に来た時に、左側を指して「こっちに行く?」右側を指して「こっちに行く?」と子どもに聞く。
②子どもが指差した方へ進む。
③子どもは『自分が指差した方向に進む』ことから『指差し』の意味を理解する。

 

 

【発達障碍の基礎知識】より転載 

≪指差し≫

指差しの始まり 「~だよ」と言われて、指差された方向を見る。それより前は、指を見たり大人の顔を見たりする。


自発の指差し (あれ見て!)

見つけたものを「あっあっ」と言いながら指差す。 二項関係の始まり。


要求の指差し   

自分の欲しいものをしきりに指差す。 二項関係の成立。


叙述の指差し (何かを見つけた時)

車や犬を「あっあっ」と言いながら指差し、母親を振り返る。 三項関係の始まり。


応答の指差し (どれと聞かれたときにするもの)「~はどれ?」に応じて指差して教える。 対象が目の前に無くても、その方向を指差す。 自分では見えない顔の部分を指差して教える。 三項関係の成立。


子どもが何かを見て気持ちが動く事を、 子どもと対象物という二つの間に関係が出来た という事で、 二項関係 が出来ると言います。
次に、何かを見て気持ちが動き、それを他の人と共有するようになると、 子ども・対象物・母親の三つの間に関係が出来た という事になり、それを 三項関係 と言います。
この三項関係が、 自分の中にあるコトを、人に伝えようとする姿勢 すなわち、 言葉の土台 になるのです。

例えば、お子さんが何かに夢中になっている時、お母さんも一緒になって楽しんでみて、それを声にしてみる。
車を並べるのが好きなお子さんであれば、並べる時に「はい、はい」と声を掛ける。
ズラッと並んだ車を眺めだしたら、一緒に眺めて「凄いね~」など。
その時、お子さんと目が合って、にっこりと微笑みあう。
お子さんの世界に、お母さんがゆったりと寄り添い、こういった 気持ちの共有 を積み重ねていくうちに、 お子さんは、物とお母さんの顔を交互に見るようになり、叙述の指差しへと進んで行く事が多いようです。