発達障害への教育的支援と特別支援教育の将来展望

講師  竹田契一先生

入試センター試験への特別措置


平成23年度より発達障害が受験特別措置対象となるそうです。
【×】高校在学中に配慮無しで、受験時のみ“アスペルガー”
【○】高校時代の個別指導計画の添付が有利。
【○】中学・高校から大学入試を見据えての配慮を親が学校に頼む

「発達障害者に対する雇用支援の充実」が平成22年9月10日に閣議決定されたそうです。
発達障害者は幼児期より適切な支援を受ければ将来は労働力(納税者)となり、ほっておくと福祉対象者になる…そうです。

特別支援教育のねらい


学校・教師の意識改革
個の教育的ニーズに応じた指導をクラスの中で行う
行動面の指導から学習支援へ

特別支援教育は障害児教育ではない
昔は定型発達をしない子どもは、養護教室や養護学校へ移動(移籍)させれば良かったけれど、現在は違う。

教育の原点


・特別支援教育は教育の原点である
・教えたことだけ入る
・「一を言って十を悟る」はない。すべて必要なことは手取り足取り具体的に教える

診断とは


診断はただ名前をつけることではなく、予後の推定を含む。

発達障害には今後の見通しが必要
  病名は?
  将来の見通しは?
  直るまでの期間は?
  どのような経過をたどるのか?

発達障害は教育問題。医学問題ではない。(二次障害については医学問題もある)
校長先生が「名前(診断名)がついてないからみれない」と言うのは逃げ。

カリスマティック・アダルト


自分を理解してくれている人物が必要。
ADHDにはモデル(憧れの人・大人になったらあのようになりたいと思える人)が必要。
親・教師がカリスマティック・アダルトの場合には犯罪抑止力になる

【例えば万引きに誘われたとき】
  先生の顔が浮かぶ→あの先生が悲しむからやめよう→万引きはやめる 

障害の有無に関わらず、義務教育の間に一人でもカリスマティック・アダルトを作れたら楽。
親がなれたら最良。
話を最後まで聞くと良い。
「しかし…」とさえぎらずに子どもに全部言わせる。
一言も言わずに、最後までしっかり聞ける親となる。

点数で褒めない


100点で褒めると90点では破いてくるようになる。
点数で褒めるのではなく、努力したこと、頑張ったことを褒める。