障害のある子の子育てを通して

心理社会的発達課題


E.H.エリクソンという精神分析家によれば、人は予定された発達段階に沿って成長していきます。
そして、各発達段階にはその時期に克服(達成)すべき発達課題があります。

 『心理社会的発達課題』
 乳児期 0~1歳頃 基本的信頼
 幼児期 2~3歳頃 自律性
 児童期 4~6歳  積極性
 学童期 7~12歳  勤勉性 
 青年期 13~20歳 同一性
 成人期 20代以降 親密性
 壮年期       生殖性
 老年期       自我の統合

・人が健全で幸福な成長、発達を遂げるためには、それぞれの段階での課題を克服(達成)しておかなければならない。
・課題の克服により、その段階での同一化(まとまりのある「自分」)が得られ、次の段階の同一化も可能となる。もし上手く克服できなければ、次の段階以降の成長にひずみが生じてくる。
・「充分に身についていないかな…」「取りこぼしがあるかな…」と思ったら、気になる時期の課題を少し意識しながらかかわってみる。

第4の時期 学童期


・小学校に入学し、新たな規律の集団生活が始まる。
・生活のかなりの部分が小学校に移り、同世代の仲間意識が形成されます。
・同年代の仲間意識が高まり、親子の間に境界線を引くようになる。
・この時期の課題は「勤勉性」です。
  ~同年代の仲間と文化(知識、道具、体験)を共有し、社会的に勤勉に生きていくための基礎を形成しようとします。
・知識を習得する場が、家庭から学校、仲間へと移る。
・同年代の子どもから学習できる機会を作ってあげましょう。(質より量)
 仲間と一緒に活動し、学んでいますか?

※境界線を引く←思春期に向けて大切
※思春期→小学校高学年~。鏡をまじまじと見るようになれば思春期の始まり。

 

各時期を通して…


・発達段階は暦年齢と発達年齢の両方で当てはめてみてください。
・それぞれの個性(障害特性)に合わせた工夫や支援は必要です。
・重要なのは心理的な世界で発達が進んでいくことです。
・子どもへの期待は、強すぎても弱すぎてもよくありません。
・子どもが自己肯定感を持ちながら生活できることを心がけてください。

 

 全てのことは親が言葉で示して身につくものではなく、幼児期からの関わり方で身につくそうです。
 青年期には、親密欲求の対象が同性から異性に変わり、自分をコントロールするのが大変になるそうです。自分をコントロールする力は、幼児期からの積み重ねで身につくそうです。
 幼児期のしつけが強すぎると積極性が乏しくなり、しつけが弱すぎると自分をコントロール出来なくなるそうです。
 意欲や自信が低下している時には「頑張りなさい!」と言うよりも、あるがままの状態を受け入れる方が、回復が早いそうです。
いつの時期においても、『基本的信頼』が土台になるそうです。