本当に分からないのは誰?

≪2011年12月10日・小学校6年生≫

先日、有香のお友達(ダウン症児)に「○○ちゃん、服が裏よ」と声をかけました。
「ありがとう」と言ってすぐに着替えると思ったら、予想外の返事に驚きました

 

有香も、学校で「交流に行きなさい」という先生の指示に従えなかったり、お迎えのお友達を困らせることがあるようです。

 

小学校の高学年にもなると、みんな変わってきます。大人の言うことに素直に従わなくなってきます。
子供は大人の言う通りにはならないと聞いています。行った通りになるそうです。
怒って言う通りにさせても、怒られたから従うのでは意味がないでしょう。
また、力で動かしても意味がありません。もし、力で動かしていたら、力関係が逆転した時には恐ろしいことになるかもしれません。

 

私自身、有香に対して、『何回言ったら分かるの!』と思うことが度々あります。しかし、そのような言葉を投げかけても、本当に分からないのだから、有香の心を傷つけるだけで、何の効果もないでしょう。

 

『何回言ったら分かるの!』と子供を責めたくなったときには、『分からないのは子供ではなく自分だ…』と考えると良いと教えて頂いたことがあります。(内部リンク:分からせ方の追求)
子供が悪いのではなく、自分の教え方が悪いと考えれば、『この方法がダメなら、この方法は?』と、知恵がわくそうです。

『自分の何が悪くて上手くいかないのか?』と考察することは、決して楽な作業ではありません。しかし、子供を責めて傷つけるよりはましだと思います。


有香には話して聞かせることにしています。先日はこんな話をしました。
母親「お友達が(支援クラスに)お迎えに来てくれたら、『ありがとう』と言って、一緒に行きなさい。そうしたら、お友達は『有香ちゃんが言うことを聞いてくれた』と、嬉しい気持ちなるよ。嬉しそうなお友達を見たら、有香ちゃんも嬉しい気持ちになるよ。もし、『嫌』と言ったら、お友達は悲しい気持ちになるよ。それを繰り返したら、もう有香ちゃんを迎えに行くのは嫌だと思うようになるよ」

 

有香に対して、自分の感情で物を言わないようにしたいと思っていますが、先日、残念な気持ちが抑えきれず、ついつい、その思いを口にしてしまいました。
口から出した言葉は、もう、戻りません。『あ~しまった』と思っても後の祭りです。
有香には、申し訳なかったと謝り、これからは良いお母さんになるように努力するから…と、話しました。


最近、安藤忠先生が仰った、

 

『同じことを3回聞いたら脅迫…6回も聞いたら虐待!』

 

という言葉の真意が少し分かったような気がします。
思春期に困らないためには、乳幼児期から、力ずくで動かさず、相手が分かろうが分かるまいが、常に優しく温かく話して聞かせ、尊重していくことが大切なんだな~と、今、改めて強く思います。

 

ちなみにある専門家が

「子供に何回言っても分からないということが、保護者に何回言っても分からない

と仰ってました。


(子供の性格・性質など様々ですから、上記が全てのお子様に当てはまるとは申し上げません)