≪中1・2012年6月27日≫
…小学校5年生の9月に自分がダウン症であることを知りました。それから受容へ向けての長い長い旅が始まりました。
母親「お母さんはね、有香ちゃんがダウン症であってもなくても、有香ちゃんが大好きなんだよ」
有香「うん」
…しばらくしてから
有香「お母さんと私の二人だけの秘密よ」
母親「お父さんには?」
有香「言わない」
母親「お父さんも知ってると思うよ」
有香「知らない」
≪中1・2012年6月28日≫
…有香がダウン症のことで悩んでいることを担当の先生に伝えました。担当の先生からお聞きした話です
先生「有香ちゃん、悩みがあれば、先生に話してね」
有香「…」
先生「困ったことや悩みがあれば、何でも話していいのよ」
有香「私の悩みは…、しみ・そばかす・ニキビです」
≪中3・2014年4月2日≫
…夜、有香が、大笑いしながら、芸能人が文化人に悩みの相談をする番組を見ていました。
ちなみに、ある歌舞伎役者さんの悩みは『友だちがいないこと』でした。
有香「私、大きくなったら、これに出る。そして、私の悩みは、お父さんの貧乏ゆすりですって言う」
父親「あんた、ほんまに楽しいやっちゃなお酒飲んどんちゃうか?」
有香「その理由は、地震かと思うからですって言う」
≪高1・2015年5月28日≫
…ヨーグルトを食べるとき
有香「スプーン取って」
母親「自分で取って」
父親「スプーン頂戴」
…すぐにスプーンを父親に渡しながら
母親「はい」
有香「何か、えこひいきしてるみたい」
有香「何か、(お父さんは)えこひいきされてるみたい。ずるいなーって」
≪高1・2015年5月29日≫
有香「お母さんの頭に旗が見える」
母親「何の?」
有香「えこひいき」
母親「えこひいきされてるのは誰?」
有香「お父さん」
母親「えこひいきされてないのは?」
有香「この二人(自分と祖母)や」
≪高1・2015年6月1日≫
PTA会長や担任の先生、お友達のママに、「お母さんがえこひいきする」と訴えていました。
今までにも「お母さんは、お父さんにばかり優しい」などの訴えがありましたが、聞き流していました。
今回、ちょっとした出来事があり、このことが結構大きな悩みになっていることが分かりました。
・働いている父親には、家ではリラックスしてほしい。
・子供には、将来の自立に向けて、自分のことは自分でしてもらいたい。
大人には当たり前のことですが、有香には、『お父さんの様に尊重されていない』と感じる要因になっていたようです。
≪高1年・2015年7月≫ 詩
悩みごとがあるねん
「よいしょっ」って言わないと立てない
「どっこらしょ」って言わないと座れない
腰を深く座る時には「ふぅ~」
吉井先生が
「おばさんですか?」って言う
私はややこしいティーンエイジャーです
≪高3・2017年8月19日≫
有香「私、仕事のことで悩んでるねん」
祖母「何を悩むの?」
有香「あれはこうかな~?これはああかな~?って」
母親「何て?」
有香「こういう私の悩みは、私しか(理解)できない悩み」
《自立訓練1年目・2018年9月5日》
…雑談をしていました
有香「私は算数がちょっと分からない女。お母さんだったら、こう言うんじゃないの?知的障害でも頑張ればできる」
母親「…」
有香「いくら頑張っても分からないのに。算数、頑張っても、頑張っても、頑張っても分からない」
母親「そんなに頑張ってるの?」
有香「頑張ってるよ」
母親「どこで?」
有香「○○(事業所)で」
有香「私はいつから知的障害になったのかと思う。って言うか、知的障害って何なの?」
母親「…」
有香「ダウン症と知的障害、ほんとダブルパンチや!」
《自立訓練2年目・2019年6月2日》
…朝の会話
有香「悩みごとがあったら私に言っていいよ」
母親「お金がないから、ご飯食べられないって言ったら?」
有香「一緒に働いて頑張る」
父親「一緒に来るの?」
有香「お父さんに頑張れって言いながら、掃除したり、お茶運んだりする」
母親「一緒に行って、掃除したり、お茶運んだりするの?」
有香「うん。お父さんの会社のメイドかな。私は女子だからメイド」
《自立訓練2年目・2019年7月14日》
有香「小さいころ思うようにしゃべれなくて大変だった。それを理解しようとしていたお母さんも大変だったでしょう?」